
事業内容
砂を活用したスポーツイベントを開催し、メディアと連携した新たな砂の魅力を発信し、鳥取の情報発信効果を高める
鳥取の地方創生はすなばから始まる
「スタバはないが、スナバはある」という鳥取県知事の発言や「砂の美術館」をきっかけに鳥取の印象は今まで以上に「砂丘」となっています。そんな砂丘、海岸を拠点とした活動で話題を集めている「すなばスポーツ」の取り組みについて紹介します。
鳥取のすなばを活用した体験型アクティビィティー
任意団体「すなばスポーツ」は2015年4月に設立しました。主な活動フィールドは鳥取砂丘、白兎海岸、賀露海岸、浦富海岸など、県東部の海岸や砂浜。ビーチサッカー、ビーチテニス、ビーチヨガ、エアロビ、砂丘でのしゃんしゃん傘踊り、ウォーターサバイバルなど、多くの体験型のアクティビティーを実施しています。※(2017年4月一般社団法人設立予定)
主な活動の時期は、浜を海水浴で利用していない春、秋など。参加者の年齢層は子供からお年寄り(最高齢83歳)まで幅広いです。また、青年会議所や地元組織、各種スポーツ団体等などと多くのイベントを共同開催しています。
アクティビティーを行うときは、裸足で体験して頂き、鳥取の美しい海岸、砂浜を保全する、ビーチクリーンも実施。海岸環境の美化、環境保全にも繋がっています。
すなばスポーツの活動には、観光客のみならず、地元民も参加しています。「すなば」を切り口に多くの人を巻き込んだ地域密着の活動といえます。
ちなみに、昨年の日本ビーチサッカー連盟の設立をきっかけに、総合型のスポーツクラブとして設立を準備中で、1年で会員が60名にもなっています。
すなば活用した観光客誘致、地元の魅力再発見

ビーチサッカー、ビーチバレーなどを行うなかで、鳥取の海岸や砂浜などの自然の魅力を届けています。自然の魅力を知ってもらうには、まずは実際に来てもらうことが必要。そのためのきっかけの1つがすなばスポーツです。
また、地元の方に対しては、「世代を超えた交流をするなかで、鳥取の魅力を再発見してもらいたい!」という想いがあります。
鳥取は自然が豊かですが、地域に住んでいる人ほどその良さに気付いていません。そのため県外からの友達がきても「鳥取はなんもないでぇ〜」とネガティブな情報しか伝えきれてない場合が多いです。
しかし、すなばスポーツの活動を通じて幅広い世代、県外の方との交流ができるため、客観的に地域をみることでき、鳥取の魅力が再発見できます。地元愛が増すことによって「鳥取は良い場所だよ!」と心からPRできるため、口コミで観光客の増加にも繋がるでしょう。
活動の限界を超えることができた
日本財団からの支援は活動費として利用。活動費は、6月から10月にかけての定期的なビーチイベントの開催、ビーチサッカーゴール・のぼり旗等の購入、新規事業の創出に向けての企画業務、事業広報などに使用しています。
広報を行うことで、より多くの人にすなばスポーツの取り組みを知ってもらうことができ、スポンサーや協力者を増やすことに繋がっています。
また、支援によって1人では難しかったことも実現。例えば、規模の大きいイベントについては、アルバイトを雇うことで運営しました。
ここ1年ですなばスポーツのアクティビティーに参加した人は2000〜3000人。観光客だけではなく地元民も多く巻き込んでいます。岸本さんは「財団からの支援によって活動の幅が広がり、目標達成に近づいた」と話していました。
目標は「すなばスタジアム」を建てること

また、雨の日でも活動できれば、晴れの日が少ない鳥取にとって嬉しいポイントの一つです。
鳥取は交通の便が良くなる一方で、日帰り客が増加しているため、この計画は地域経済に大きく貢献するでしょう。
また全国、世界規模の大会の誘致も検討中、砂の競技のプロ選手も準備中とのことで、夢は膨らむばかり、さらに地元サポーターやスポンサー企業を増やし、多くの人を巻き込んでムーブメントを創っていくことでしょう。
岸本さんは「まずは段階的に時間をかけて動いていく」と話していました。
取材後記
すなばスポーツは、砂を活用して、観光とスポーツを融合させた全国稀にみる取り組みです。大きな特徴としては、観光客だけではなくて地元民も巻き込んで活動していること。
鳥取の価値を向上させていく、地域創生のモデルケースとなるかもしれません。
■ライター紹介
酒本 勇太(さけもと ゆうた)
1990年生まれ、鳥取県岩美町在住。鳥取の魅力をもっと多くの人に広めていくことが目的。新しいチャレンジを応援して、人と人を繋いでいきたい。鳥取情報発信Webマガジン「とっとりずむ」編集長。