「歩く」で繋がる人と町-ウォーキングイベントからみる「歩く」の価値。


歩かない鳥取県民

鳥取県が5年に1度調査を行っている「県民健康栄養調査」のデータによると、平成22年の歩数で、成人男性6,627歩、成人女性5,473歩という結果が出ており、男女とも全国平均より少なく、鳥取県民は、歩く機会が少ない状況だと言えます。

鳥取県は都会に比べて、交通機関が整備していないエリアが多いため「1人に1台、車が必要」と言われており、運動不足の人が多くなっています。健康的な生活を送るためにも、意識的に歩く機会を増やしていく必要があります。

この事実をきっかけに、県民が日常的にウォーキングに取り組む「ウォーキング立県」が始まり、その取り組みの一環として、2017年9月9日(土)に「ウォーキングイベントin湖山」が開催されました。

当日は、ロサンゼルスオリンピックに出場歴のある女子マラソン選手の増田明美さんをゲストに招き、お年寄りから子どもまで幅広い年代の方が参加して賑わいました。

ウォーキングで自分も地域も元気になる!

鳥取県中部でまちづくり活動を行っている、特定非営利活動法人(NPO法人)未来の代表、岸田寛昭さんは今回のイベントにて「鳥取は歩く人が少ない。それで成人病になる人が多い傾向があるため、もっと普段から歩く必要がある」と話していました。

ウォーキングというと「健康になる」というイメージがありますが、それ以外にも実は多くのメリットがあります。

「ウォーキングは健康だけではなく、教育、環境、観光、交流にも効果があると言われています。これを、ウォーキングが人と社会にもたらす効果の「5K」と呼んでいます」

実際に町を歩くことで健康づくりはもちろん、コミュニティーが生まれたり、ゴミ拾いで町がキレイになったり、自分だけではなくて町も元気になっていきます。

歩くというシンプルな行為が、ここまで地域に良い循環をもたらすとは知りませんでした。高齢者から子どもまで、3世代に渡って参加できるのも魅力的なポイントの一つです。さらに岸田さんは次の展望について話します。

「次のステップとしては、ウォーキングガレッジを開催したいと思っています。ウォーキングの良さを多くの人に知ってもらえるような講義を行い、認知を広めていきたいです」

確かに歩くことの良さについて具体的に知らない人が多いので、講義を通じてどのようなメリットがあるのかを伝えれば、自発的に歩き始める人が増えていくと思います。実際に私も今回の取材を通じて「もっと歩く機会を増やそう」と意気込んでいます。

グランピングとコラボしたウォーキングイベント

「若い人に参加してもらうにはどうすれば良いか?」
運営側のワークショップでいくつか案を出した結果、若者が興味を持ちそうな「グランピング」が採用されました。

グランピングとは、グラマラス(魅力的な)とキャンピング(キャンプ)を組み合わせた造語です。湖山池沿いに、見て、食べて、若者が楽しめるような魅力的な空間が広がっていました。

従来のウォーキングイベントは、年齢層が高く、若者の参加がほとんどありませんでした。しかし今回は、グラッピングという若者が興味を持つようなキーワードで注目を集めた結果、20代〜30代の参加者が目立ちました。

「普段歩かないから歩けて良かった」「食事ができて、湖がみえて、ゆっくりと過ごせた」など、参加者から声があり、天気にも恵まれ、非常に満足度の高いイベントになりました。

地域に根付いた持続可能な取り組みへ

今後は地域の特徴を生かしながら、地域に根付いた活動をしていくことで、人との繋がりが生まれ、持続可能なウォーキングイベントとなっていくでしょう。

現段階においてもイベントスタッフは100人以上集まり、その中には、歩きが趣味の人や、ノルディークウォーキングのメンバー、地元の学生などがいます。ここまで大人数のスタッフが集まるということは、すでにウォーキングをきっかけとしたコミュニティーが出来つつあると言えます。

歩くことの素晴らしさについて、今回のイベントと取材を通じて実感しました。健康のためにも、地域のことをもっと深く知るためにも、意識して歩く機会を増やしてみてはどうでしょうか。

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